イギリスで急に増えたコートと競技人口

AFP通信によると、英国テニス協会(LTA)の数字では、イギリスのパデルの競技人口は100万人を超え、コートは2,000面近くになりました。2024年末は40万人・870面だったといいます。朝鮮日報は、イギリスのコートがこの2年で2倍以上に増え、2,000か所を超えたと伝えています。ガーディアン紙は、LTAの数字として、コートが2019年の68面から1,800面を超えるまで増えたと伝えています。

なお、PADEL SPOTが10月にお伝えしたLTAの発表では、グレートブリテンの競技人口は推計150万人、コートは2,445面でした。集計の時期や対象が記事ごとに異なるため、数字はそれぞれの出典の値として紹介しています。

スケートパークや遊び場がコートに

各紙が取り上げたのは、ロンドンの例です。

  • バーキング:ロンドンで唯一の実物大の屋内スケートパークが8月初めに閉鎖され、屋内パデルコートに変わることになりました(ガーディアン紙)。運営する慈善団体GLLは、スケートパークが何年も赤字だったと説明しています。住民の反対運動には4,500人を超える署名が集まりました。
  • カムデン:無料の子どもの砂場と遊び場をなくしてコートを造る200万ポンドの計画は、1年以上の反対運動の末に取り下げられました(ガーディアン紙)。
  • ベスナル・グリーン:地元の区が、ローラースケートやバスケットボール、スケートボードに使われていた広場に、1時間24ポンドの有料パデルコートを試験的に置きました(ガーディアン紙)。撤去を求める署名は4,000人近くに達したと、AFP通信は伝えています。

反対する人たちが挙げるのは、お金を払わずに誰でも使える場所が減ることです。ガーディアン紙は、予約アプリPlaytomicの数字として、ロンドンのコート料金が平均1時間51ポンドだと紹介しています。

打球音による騒音への対策

パデルでは、硬いラケットでボールを打つ音や、ボールがガラスの壁に当たる音が出ます。朝鮮日報によると、各地で次のような対応が出ています。

  • イギリスのバース市議会が昨年、騒音への心配からコートの新設を認めなかった
  • スペインのセビリアの行政裁判所が住民の騒音被害を認め、コートの閉鎖と夜間の試合禁止を命じた
  • オランダが、屋外コートを住宅地から100m以上離し、音を91デシベル以下に抑える指針を設けた

この3件は、今回確認した記事のうち朝鮮日報だけが伝えているものです。

より多くの人に届ける動きも

AFP通信は、パデルを楽しむ人の声も伝えています。マンチェスター近郊のストックポートに住む42歳のローラ・レイサムさんは、1年前に初めてラケットを握り、すっかり夢中になったそうです。空いている時間帯なら1回11ポンドでプレーしています。

コートを運営するSoul Padelは、イングランドとスコットランドの4か所に16面を開き、さらに7面を北部の都市などに開く予定です。創業者のマーク・ヒューレットさんは、これまでパデルは裕福な地域に広がってきたと話し、50歳以上の人、独身の人、女性などに向けたプログラムを用意しています。

日本のコートづくりへのヒント

ロンドンでは、無料で使える遊び場や広場を有料のコートに変える計画に反対が集まり、オランダでは住宅地からの距離や音の大きさに基準が設けられました。コートをどこに造り、近くに住む人とどう付き合うかは、日本でこれからコートが増えていくときにも考えておきたい点です。誰もが気持ちよくプレーできる形で、パデルの楽しさが広がっていくことを願っています。