準決勝をストレートで制し、コエロが通算300勝に到達

準決勝で対戦したストゥパチュクとサンスのペアは、粘り強い守備と鋭いカウンターを武器とする難敵です。しかし、コエロとタピアは集中力を切らさず、第1セットを6-4、第2セットを6-3で奪い切り、快勝を収めました。

この勝利によって、コエロは節目の通算300勝を記録しました。個人としての輝かしい記録ですが、チームとしての勝利を何よりも重んじるふたりにとって、目先の記録は通過点にすぎません。パリ・メジャーでの優勝に続くタイトル獲得へ向けて、視線はすでに目前の決勝へと向けられています。

「ブレーク1つが命取りになる」高速化したコートへの適応

この試合でふたりは、自身のサービスゲームで66%のポイントを獲得する安定感を見せました。コートコンディションについて問われたコエロは、会場の環境変化に合わせたプレーの重要性を説明しています。

「今日は今大会の他の日と比べて、ボールが弾むスピードがかなり速く感じられました。観客が増えて会場内の気温が上がったことも影響しているはずです。こうした環境では、一度のブレークが勝敗を分けるため、自分たちのサービスゲームに集中し続けることが何よりも大切でした」

パデルでは気温や湿度、観客の熱気によってボールの反発や飛び方が大きく変わります。トッププロであっても、当日のコート状態を的確に見極め、戦術をアジャストすることが勝敗を分けるポイントになります。

「自分には改善できる部分がまだ多い」タピアが語る守備の進化

世界ランキング1位として君臨するペアでありながら、ふたりは現状に満足していません。さらなる技術向上について問われたタピアは、自身の課題と進化について率直に明かしました。

「チームのスタッフからは、常に『まだまだ改善すべき点がある』と声をかけられています。今回の遠征に入る前の休暇中、私はショットの修正や、特に守備面の強化に集中的に取り組みました。アルトゥーロはすでにプレースタイルが確立されていて完成度が高いですが、私には伸ばせる余地がたくさんあります。練習した成果をコート上で発揮し、アルトゥーロをもっと助けられるようになってきました」

攻撃力に定評のあるタピアが守備の安定感を高めたことで、ペアとしての隙はさらに少なくなっています。

3週間の遠征を締めくくる決勝戦へ

優勝者に贈られるチャンピオンリングについて尋ねられたタピアは、「リングを獲得できれば多くの大会で勝てた証になるので嬉しいですが、何よりもこの完璧なツアーを最高の結果で締めくくりたい」と語ります。自宅を離れて戦い続けた3週間の過密遠征を乗り越え、自分たちの積み重ねてきた努力を証明するために決勝の舞台へ挑みます。

世界の頂点に立ちながらも謙虚に課題と向き合い、進化を止めないコエロとタピア。ふたりがミラノの地でどのような結末を届けてくれるのか、決勝戦の戦いぶりに注目が集まります。


出典:Padel Magazine